建築設計の仕組み(3)

シリーズもの、建築設計の仕組み。
今日は建築士の試験について説明します



今日は第3回
第1回はコチラ
第2回はコチラ です


■建築士の免許
建築設計は免許制、独占業務となっており、ごく小さなものを除き、建物規模に応じて免許を持ったものしか設計できません
大きくは以下です
1.一級建築士  あらゆる建築の設計ができます
2.二級建築士  住宅など、あるいは建物の規模(床面積)が幾分小さいものに限られます
3.木造建築士  戸建て住宅などで、その構造が木造によるものに限られます

「設計できない」とはどういうコト?お遊びで「夢の我が家」のスケッチを書いてもダメなの?

これはこういうことです。
建物を建てようとして設計図を書いた場合、これが建築の法律、「建築基準法」に適合している必要があります。
具体的には火事の時に逃げるための避難階段の床の幅は○○cm以上とか、その土地ごとに立てられる建物の最大の高さは○○mは以下、などです。

よって建築士が設計を終えたらこれを担当行政庁=建てる場所の市役所などに設計図を提出し、上記に適合しているかの審査を申請します。適合しているかの確認の審査(申請)よりこれを確認申請と言います。

この時に、設計図に建築士(一級建築士など)が関与した(設計した)証として印鑑を打ちます。法律を熟知した一級建築士が関与しましたよ、と言う意味です。この時に一級建築士である必要があるのです。

よって自宅で「夢のマイホーム」の構想を寝るだけなら建築士の資格は要らないのです。
ふう。よかった。






一級建築士は、大学の建築コースを卒業後、2年の実務を積んで初めて受験資格を得ることができます。
よって上記大学を出ていない(OLから転職で建築士を目指す場合など)はまず二級建築士を取得し、さらに数年の実務経験を経て、一級建築士の受験資格を獲得、いざ受験、となります




■取っても食えない!?nez.jpg

一級建築士の免許は俗に「足の裏のめし粒」と言われます。
「ねずっち」の謎かけのようなのですが。。その心は

「取らないと気持ち悪いが、取ったからと言って食えるわけではない」  

一級建築士の資格を取っておかないと居心地が悪い(気持ち悪い)けど、さりとてそれを取ったからと言ってそれだけで商売ができる(食える)わけではない、ということです。

一級建築士は約20万人いると言われ、その免許がないと独立しての開業はできませんが、その免許があるだけでは商売のウリにはならないのです

■一級建築士ってムズカシイの?(*o*)
私(著者)も一級建築士の免許を持っており、よく人から「スゴイですね~(*o*)」と言われますが、一級建築士の試験はいわゆる「受験」と同じ。過去問をしっかり勉強しておけば(マークシート3択ですし)さほど難しいものではありません
そうはいうものの昼間、仕事をやりつつ「受験勉強」するのは至難。この試験は年1回のみ行われ、私も「合格」するのに5年=つまり5回受験しました。
なお試験は筆記と実技=設計製図の2段階試験となっています。




ところで建築士の資格は長いこと上記3つでしたが姉歯事件をきっかけに「構造設計一級建築士」「設備設計一級建築士」という資格が発足しました。

第1回で説明したように建築設計は3人のコラボですが、かつては構造士、設備士は無資格でも仕事ができたのです。
コラボの3人のうち、建築家のみが「一級建築士」であれば残り二人(構造:設備)は何の免許も要らなかったのです。
この事実が姉歯事件(2006)を招いたと考えた国交省がそれらにも資格を設けるべきと新設したのです。

これにより、私も構造設計一級建築士が新設後、初めての試験で受験したのですが運良く合格しました。実務経験者にはさほど難しい試験ではありませんでした。

ウワサでは国交省が、上記資格制度を設けたのはいいものの、試験が厳しくて合格者が少なくては世間にビルを設計できるものが不足して景気が滞り、他の省庁から何やってんだと文句を言われ自分の首を締める事態になってしまうと気付き、初回試験を甘めに設定した、とのこと?(*O*)




このように姉歯事件は建築業界に大きな変換を引き起こしました
これにより大幅に建築の法律(建築基準法)が改正されました(改悪とも)
実際、その発効後、建築着工は大幅に滞りました
私もその時期大幅に売上が落ち込み、苦難の時となりました(泣)




この「建築設計の仕組み」は一旦これで終わります。
お役に立てればなによりです

なおこの3回の記事をPDFにしたものをアップロードしておきます
コチラです

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テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

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Author:山田誠一郎
㈱dos 代表取締役 

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